あの頃のオレPartⅦ-その3-

はいはい、2年、いや、3年近く越しのあの頃のオレシリーズです。


前回はなんだっけ~???・・・ああ、ワニね。
思い出すのも大変になって参りましたが、印象深い旅行だったのでなんとか思い出しながら書きます。
細かい文言は違うかもしれませんが意味は変わっていない、はず(^^;


~翌朝~

足の痛みで目が覚める。
大抵ペンションの朝は早いものだが、それ以上に早起きになってしまった。

朝食を頂き、痛む足を引きずりながらバイクに荷物を積み込み、ペンションを後にする。


熱川バナナワニ園に到着。

ついにここまで来た。
いよいよワニが食える。

Mと二人心弾ませながら、入園する。

バナナはいい、ワニを出せ。

足の痛みもいつの間にか消え、園内をどんどん進む。


・・・いた!ワニだ!


温泉を利用して熱帯の生物であるワニを飼育しているらしい。
この季節、ワニは温泉の噴き出し口から全く離れようとしない。
剥製であっても誰も気づかないのではないか。

何種類かのワニの他にピラルクなどの巨大魚なども飼育されていたが、ほとんど記憶にない。

出口付近に簡単な喫茶コーナーのようなものを発見。胸が踊る。
ついにワニを食べる時が来たのか?!


・・・しかしどうも雰囲気が違う。
しっかりとした食事をとる雰囲気ではない。
メニューもコーヒーなどの飲み物が中心。

どういうことだ?

Mと周囲を見回す。
やはりワニ料理のメニューは見当たらない・・・

と、出口に置かれた看板に目が行く。

『ワニの保護と研究のため、募金にご協力ください』


・・・・・・

・・・

なんてこった・・・食べるどころか、保護しろときたもんだ!

Mと二人愕然とする。


しかし無いものは無い。

それどころか保護団体に「食わせろ」などと言おうものなら、どんな事態が待ちうけているか
想像もつかない。

「ここでワニは食えない」

失意とともに足の痛みが戻ってきた。


がっくりとうなだれるMと二人、帰路についた。

どう帰ったのか、ほとんど覚えていない。
それほどショックだった。





・・・翌週末、このツーリングの反省会と称して、Mと飯を食いに行った。

ちょっと迷った挙句、車で30分ほどのところにある「レッドロブスター」にした。


席に案内され、メニューを開く。

メインのメニューに、季節限定メニューが挟まれていた。


「ワニの唐揚げ」


・・・・・・

・・・

オレ「ワニあるよ」

M「ありますね」


・・・偶然巡り合ったワニの肉は、ガーリックオイルで強く香り付けされていたものの、
鶏肉のようなあっさりした味わいだった。


足の痛みはその後、半年以上続いた。


~おわり~